折り句とはWhat’s Oriku?
まくら(頭文字)の文字に添って言葉を折り込む言葉遊びの一種です。
※当協会では折り句で使う頭文字をまくらと表現しています。
折り句には、まくらが目立つように分かりやすく書いたものや
秘密の暗号のようにひっそりと折り句になっているものがあります。
当協会が推進する「折り句」は、季節のものや固有名詞以外に
誰もが持っている「名前」を使って、
思いや『ありがとう』を伝える折り句を創作する現代折り句です。
家族や身近な人へ「ありがとう」の気持ちを伝える折り句は、
毎年開催している全国折り句コンテストではたくさんのご応募があります。
古典折句 (折り句)
折り句の歴史は古く
様々な場面で詠まれてきました。
その一部をご紹介致します。
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在原業平の折り句
古くは、室町時代『伊勢物語』九段東下りの段に登場する和歌に次のようなものがあります。頭文字をとると「かきつはた」(カキツバタ)という花の名が折り込まれていることがわかります。この歌は、在原業平が旅先(三河の国の八橋、現在の愛知県知立市)で妻を思い詠んだ折り句ですが、妻と着物の褄をかけた折り句になっています。
からころも
きつつなれにし
つましあれば はるばるきぬる
たびをしぞおもふ -
小野小町の折り句
平安時代の歌論『新撰和歌髄脳』の中にはクレオパトラ・楊貴妃と並ぶ『世界三大美人』と言われた小野小町の折り句があります。一文字目を読んでいくと小野小町の「琴たまへ(琴をください)」と頼んだのに対して、相手は「琴は無し」と折り句で返している非常にユニークなやり取りです。
言の葉も
常盤なるをば
頼まなむ 松を見よかし
経ては散るやは言の葉は
常懐かしき
花折ると なべての人に
知らすなよゆめ -
紀貫之の折り句
『古今集』(物名・四三九)には紀貫之が「をみなへし(女郎花)」を折り句にしたものがあります。
この歌は昌泰元年(898)の宇多上皇主催の『亭子院女郎花合』で詠まれたと見られますが、この『女郎花合』の終わった後の宴でも数首の歌が詠まれました。その中にすべてを「をみなへし」の折句にした句となっています。小倉山
峰立ちならし
鳴く鹿の 経にけむ秋を
知る人ぞなき斧の柄は
みな朽ちにけり
なにもせで 経し程をだに
知らずざりける小関山
道踏み紛ひ
中空に 経むやその秋の
知らぬ山辺に -
松尾芭蕉の折り句
松尾芭蕉の有名な一句です。
『ふかみ』で詠んでいる句ではないかと言われている俳句です。定かではないのですが、のちに芭蕉の弟子が折り句の俳句を詠んでいることから『ふかみ』説が言われたのかもしれません。古池や
蛙飛び込む
水の音